最近、海外のサイトでHYIP(High Yield Investment Program)と呼ばれる利回りの投資が増えています。
インターネットのサイトを利用して、1日で1%かそれ以上の高利回りの配当金が得られると宣伝して会員を募り、仮想通貨で投資資金を集めてから突然消滅してしまいます。
これは比較的最近の記事ですが、北京商報などが伝えたニュースによると、「比特幣亜洲閃光電交易中心」という集団が毎日1.3~1.4%の非常に高い配当金が受け取れると宣伝し、数百人もの会員から約16億8千万円相当の投資金を仮想通貨で集めて行方をくらませてしまいました。
日本でも仮想通貨を利用したネズミ講やマルチ商法などの投資詐欺が行われているので、十分に注意する必要があります。
全てのHYIPが投資詐欺という訳ではありませんが、仮想通貨で資金を募るHYIPに詐欺が多いのも事実です。
簡単に投資詐欺を見分ける方法があります。
投資詐欺を行うグループがインターネットサイトを利用して宣伝を行う際に、同一のIPアカウントで別の投資案件を募集するケースが多いという特徴があります。
これはレンタルサーバーの費用を節約したり、偽名で登録したサーバーを有効に利用するためです。HYIPの募集サイトを見つけたら、サイトのIPアドレスをチェックしてみると良いでしょう。
仮想通貨は詐欺の巣窟
一般的に投資詐欺を行う際は、資金を集めるために偽名の銀行口座やペーパーカンパニーを設立しなければなりません。
最近はマネーロンダリングの規制が厳しいため、偽名での銀行口座開設や会社の設立が困難で、詐欺が発覚するとすぐに足がついてしまいます。
これに対してビットコインなどの匿名性が高い仮想通貨では、誰でも匿名で自由にアカウントを開設することができます。
仮想通貨を利用すれば詐欺グループが匿名で投資資金を集めることができるので、投資詐欺に利用されるケースが多いのです。
注意すべき点として、仮想通貨を利用すること自体が詐欺というわけではありません。
現金取引も匿名性が高くて犯罪に利用されることがありますが、現金取引をする人の全てが犯罪者であるという訳ではないとの同じです。
中には匿名で取引をすることができない仮想通貨もあり、全ての仮想通貨が詐欺に利用されるというわけでもありません。
ビットコインなどの仮想通貨を悪用すれば犯罪にも利用することができるため、世界中の多くの仮想通貨取引所では多額の資金を取引する際に、身分証明書類を提出して登録することが求められます。
日本でも仮想通貨法という法律が整備され、取引所のアカウント登録時の身分証明書類の提出が義務付けられています。
各国で仮想通貨による犯罪を防ぐための法整備が進められてはいますが、投資を行う際は仮想通貨が詐欺に使用されるケースが多いという事を念頭に置いておくようにしましょう。